インビザラインは、歯科医院でも人気の矯正方法です。
審美的に優れているため気軽に踏み出しやすく、ワイヤー矯正が主流だったころに比べると、矯正治療はより身近なものになりました。
しかし、そのようなインビザラインでも、治療できない歯並び、治療に注意が必要な歯並びというものがあります。
インビザラインで治療できない歯並びについて解説します。
目次
■インビザラインとは
◎透明なマウスピースで行う矯正治療です
インビザラインとは、透明なマウスピースを用いて行う矯正治療です。
歯に力をかける ポイントを作り、動かしたい方向へと余裕を持たせたマウスピースを装着します。
歯が理想の方向へ移動したら、さらに形を変えたマウスピースに付け替え、少しずつ歯の移動を繰り返し、最終的に理想的な歯並びに導くものです。
世界100カ国以上延べ1300万人以上の方に使用され、それらのデータを元に、歯を動かす仕組みやマウスピースの素材などのマイナーチェンジを繰り返しています。
多くのデータから導き出された情報をもとに治療を行うため、とても信頼性が高いのが特徴です。
◎メリットがたくさんあります
インビザラインには多くのメリットがあります。
・透明なマウスピースを使い矯正治療を行うため、審美的に優れていること
・可撤式のため、歯磨きがしやすいこと
・矯正装置による痛み、違和感、けがのリスクが減らせること
などがインビザラインのメリットです。
反面、自己管理の必要があったり、装着時間が長かったりなどのデメリットもあります。
<こんな方におすすめです>
・矯正治療をしていると気付かれたくない
・矯正治療による虫歯のリスクを減らしたい
・違和感や痛みの少ない矯正を希望している
などの方におすすめです。
■治療ができない方とは
◎骨格性の歯列不正
大人になってからの、顎の大きさによる歯列不正はマウスピース矯正(インビザライン)では治療することができません。
これはワイヤー矯正など他の治療法でも同じです。
大人になってからの矯正は、基本的に「歯の位置を動かす」もので、顎の形による歯列不正は外科的に治療する必要があります。
◎歯性の歯列不正でも重度のもの
マウスピースによる矯正は、ワイヤー矯正などに比べて重度の症例が苦手です。
例え歯の位置を動かす治療であっても、あまりにも重度の場合はワイヤー矯正を選ぶ歯科医師が多いでしょう。
◎インプラントが入っている
インプラントは位置を動かすことができないため、口腔内にインプラントが入っている方はマウスピースによる矯正を行えません。
◎萌出が不完全な歯
マウスピース矯正は、歯に透明なプラスチックのシートをかぶせて移動を行います。
そのため、完全に萌出していない歯は、力が上手くかからず位置を動かせません。
親知らずはこのような状態になりやすいため、親知らずが生えている方はその状態によって抜歯になる場合があります。
親知らず自体は抜歯になりますが、その後の矯正は可能です。
■治療に注意が必要な方とは
◎小臼歯抜歯が必要な時は注意
顎のスペースが少ない時は、小臼歯を抜歯して歯を動かすスペースを作ります。
小臼歯抜歯を行うと、歯のあったスペースが大きく空きます。
そこにきれいに歯を並べていくのですが、マウスピース矯正ではそのスペースに向かって歯が倒れやすい傾向があります。
小臼歯抜歯を必要とする矯正は一切できないというわけではありませんが、注意が必要です。
◎ブリッジが入っている方はケースバイケース
ブリッジが入っている方も注意が必要です。
歯を動かすのに邪魔になる場合、一度切断して矯正を行います。
◎歯周病のコントロールが難しい方
歯周病のコントロールが難しい方は、矯正をさらに歯槽骨の吸収を促進してしまうことがあるため、重症度によっては治療を受けられないことがあるでしょう。
【自分に合った矯正治療を】
マウスピース矯正はメリットも多く、画期的な矯正治療です。
中でもインビザラインは多くの方のデータを元に歯を動かすため、信頼性が高いのが特徴です。
しかし適応できない症例もあり、そのような場合、無理に治療を行っても上手く結果に繋がらないことも多いと考えられます。
自分の口腔内にはどの矯正方法がベストなのか見極めた上で、矯正の治療法を選べるのが理想ではないでしょうか。