骨格性歯列不正でなく、歯性の歯列不正を治療する時の方法として、ブラケット矯正とマウスピース矯正があります。

この2つの矯正方法はそれぞれ得意な症例があります。

一体どのような違いがあるのでしょうか。

■ブラケット矯正とマウスピース矯正の違い

◎ブラケット矯正

ブラケット矯正は、歯の上にブラケットという金属を接着し、その上にワイヤーをかけて歯を動かす矯正方法です。

このブラケットという金属は、歯に直接接着されています。

固定式のため外すことはできません。

このブラケットの上に渡したワイヤーを、月に1度程度締めて、歯を希望の位置まで動かします。

ブラケット矯正は、昔は金属製のみでしたが、現在ではセラミックなどの白い素材を使用することもできます。

◎マウスピース矯正

透明なプラスチックのシートを歯列の形に成形し、それを順番に付け替えることで歯を動かす矯正方法です。

このプラスチック製のマウスピースは、動かしたい方向に隙間が空いています。

反対側は歯を押し出す力が得られるように狭くなっています。

歯の上にはアタッチメントというブラケットの代わりをする突起がついていて、ここに力がかかることによって、歯が動きます。

可撤式という、取り外しが可能な装置です。

■ブラケット矯正になる症例

◎重い症例の場合

ブラケット矯正とマウスピース矯正はそれぞれ得意分野が違います。

ブラケット矯正は特に適応症例が広いのが特徴です。

歯列不正が重度の場合は、ブラケット矯正が適応になるケースが多く見られます。

◎大きな回転運動

マウスピース矯正は歯体移動という方法で歯を動かします。

歯体移動とは、歯を平行に動かす方法です。

そのためマウスピース矯正は大きな回転運動は得意ではありません。

歯が大きくねじれている場合はブラケット矯正の適応となります。

◎多数の抜歯が必要な場合

ブラケット矯正は大きな隙間に対して歯を動かすことも得意です。

マウスピース矯正はこの動きがあまり得意ではなく、多数の抜歯を必要とする場合はブラケット矯正の適用となります。

マウスピース矯正でこのような大きな隙間に歯を動かすと、斜めに傾いてしまうことがあります。

多数の抜歯が必要な場合はブラケット矯正を選択しましょう。

■マウスピース矯正がおすすめの症例

◎軽度～中等度の歯列不正

マウスピース矯正は軽度から中等度の歯列不正に向いています。

少しだけ前歯が気になる、歯が重なっている一部分だけを直したいというような方にはマウスピース矯正が特におすすめとなります。

◎人前に立つお仕事の方など

マウスピースは透明な板でできているため、とても目立ちにくいのが特徴です。

そのため人前に立つお仕事の方には、マウスピース矯正がおすすめです。

マウスピースは1日20時間から22時間装着している必要がありますが、お仕事中につけていてもほとんど目立ちません。

人前に立つお仕事の方は、マウスピース矯正を選択しておくと安心して治療を受けることができます。

◎成人後の矯正

矯正が子どものものとされていたのは、ブラケット矯正のワイヤーやブラケットがとても目立つからというのも理由の1つでした。

しかしマウスピース矯正であれば、目立ちにくいため大人の方の矯正にも喜ばれています。

【それぞれのメリットを見極めた上で】

ブラケット矯正にもマウスピース矯正にも、それぞれの適応症例があります。

それぞれのメリットと得意分野は見極めた上で矯正方法を選ぶと、快適に矯正期間を過ごすことができます。

名古屋市瑞穂区の矯正ができる総合歯科医院、しらい歯科・矯正歯科クリニックでは、矯正治療においてさまざまな方法をお選びいただくことができます。

どの方法を選ぶか迷っている方は、お気軽にご相談ください。