妊娠は女性にとって一大イベントであり、身体にも様々な変化が生じます。この時期に歯の矯正を考えている方や、すでに矯正を始めている方もいらっしゃるでしょう。しかし、妊娠中に矯正治療を受けることが安全なのかどうか、不安を抱く方も多いのではないでしょうか。特に、レントゲンや麻酔が胎児に与える影響については気になるところです。今回は、妊娠中の矯正治療の可否や注意点について解説します。
目次
■妊娠中に矯正治療は可能か?
結論から言えば、妊娠中でも矯正治療は可能です。しかし、いくつかの重要な注意点を理解し、歯科医師と十分に相談した上で治療を進めることが大切です。
■レントゲン撮影の影響
矯正治療において、レントゲン撮影は治療計画を立てるにあたって重要な診断手段です。歯の位置や顎の骨の状態を正確に把握するために使用されます。しかし、妊娠中にレントゲンを撮影する場合は注意が必要です。
基本的に、妊娠中のレントゲン撮影は可能な限り避けることが推奨されます。レントゲン撮影で使用される放射線が胎児に悪影響を与える可能性があるためです。ただし、現代の歯科用デジタルレントゲンは放射線量が非常に低く、さらにお腹に防護エプロンを使用することでリスクを最小限に抑えることができます。
また矯正治療をすでに開始している場合は撮影する機会はほぼありません。
■麻酔の影響
矯正治療の歯並びを移動させている段階では麻酔を使用することは基本的にはほぼありません。
治療内容によっては抜歯、むし歯治療が必要な際は麻酔が必要になることがあります。麻酔の種類や使用量によっては、胎児に影響を及ぼす可能性があるため、妊娠中の麻酔使用には慎重さが求められることがあります。
■妊娠中の矯正治療を受ける際の注意点
妊娠中に矯正治療を行う場合、いくつかの重要な注意点があります。これらをしっかりと理解し、歯科医師と相談しながら進めることが大切です。
◎治療計画の柔軟性
妊娠中は、身体の状態が変わりやすいため、治療計画に柔軟性が求められます。予定通りに治療が進まない場合や、体調によっては治療を一時的に中断する必要があるかもしれません。特に、妊娠初期や後期には体調の変化が顕著であり、無理に治療を進めることで母体や胎児にストレスを与える可能性があるため、無理のない範囲で治療を進めることが重要です。また、矯正治療に伴う不快感や痛みがある場合も、我慢せずに報告することで、適切な対応を受けることができるでしょう。
◎口腔ケアの徹底
妊娠中は、歯茎が腫れやすく、炎症を起こしやすい時期です。そのため、口腔ケアを徹底することが重要です。矯正装置があると、食べ物が詰まりやすくなるため、より丁寧なブラッシングやフロスの使用が求められます。また、定期的な歯科検診を受け、歯や歯茎の健康状態をチェックしてもらうことも重要です。
■妊娠中に矯正を始めるべきか?
既に矯正治療を開始している場合は、妊娠中でも治療を続けることができますが、新たに治療を開始する場合にはレントゲン撮影や、口腔内ケアなどを含め慎重な判断が求められます。
妊娠中に治療を開始することに不安がある場合は、出産後に治療を再開することも一つの選択肢です。また、育児が落ち着いてから治療を始めることで、治療に専念しやすくなるという考え方もあるでしょう。
【矯正と妊娠について不安なことがあればご相談ください】
妊娠中の矯正治療は、慎重な計画と歯科医師との密な連携が重要です。妊娠中でも治療は可能ですが、レントゲンや麻酔の使用には注意が必要であり、治療の進行に柔軟性を持たせることが求められます。治療を開始する前に、妊娠中のリスクや身体の変化について十分に理解し、歯科医師と相談しながら適切な治療計画を立てることが大切です。瑞穂区のしらい歯科・矯正歯科クリニックではマウスピース矯正インビザラインで治療を行っております。お気軽にご相談ください。