矯正治療は、歯並びや噛み合わせを改善するために行われますが、治療が終了した後も、歯は元の位置に戻ろうとする力が働きます。この力によって、矯正治療後に歯並びが崩れてしまう現象を「後戻り」と呼びます。
目次
■後戻りの原因
◎リテーナーの使用方法が不適切
リテーナーとは、矯正治療後に歯を固定するために使用する装置のことです。正しく使用しなければ、後戻りのリスクが高まります。以下のような場合要注意です。
・リテーナーを装着しない、または装着時間が短い
・リテーナーの装着方法が間違っている
・リテーナーのメンテナンスが不十分である
・リテーナーが破損している
リテーナーは、矯正治療後の歯を安定させるために必要な装置です。歯科医師の指示に従って、リテーナーを適切に使用しましょう。
◎親知らずの影響
親知らずとは、最後に生える奥歯のことで、通常は20歳前後に生え始めます。しかし、親知らずは、生えるスペースがない場合や、横向きや斜めに生える場合があります。このような親知らずは、前方の歯に圧力をかけて歯並びを崩す原因になります。
親知らずが後戻りの原因になるかどうかは、個人差があります。歯科医師に相談して、親知らずの状態を確認しましょう。必要に応じて、親知らずの抜歯を検討することもあります。
◎口呼吸や舌癖などの悪習癖
口呼吸や舌癖などの悪習癖は、歯並びや噛み合わせに悪影響を与えます。口呼吸は、口を開けて呼吸することで、下顎が下がり上顎が前に出る傾向があります。舌癖は、舌を歯に押し付けることで、前歯が前に出る傾向があります。
これらの悪習癖は、矯正治療中に改善することが望ましいですが、矯正治療後も続いている場合は、後戻りの原因になります。悪習癖の改善には、意識的な努力や歯科医院での指導や毎日のトレーニングが必要です。
◎歯周病
歯周病とは、歯を支える歯茎や歯槽骨が炎症を起こす病気のことです。歯周病が進行すると、歯槽骨が減少し、歯がグラグラと動きやすくなります。歯周病は、自覚症状がないことが多いので、気づかないうちに歯並びに影響を与えることがあります。
歯周病の予防や治療には、歯磨きやフロスなどの日常的なケアと、定期的な歯科検診が必要です。歯周病による歯槽骨の減少は、加齢とともに進行することもありますので注意が必要です。
◎加齢による歯の移動
加齢による歯の移動は、後戻りとは異なる現象ですが、歯並びが崩れる原因になります。加齢による歯の移動は、以下のような理由で起こります。
・歯の摩耗による噛み合わせの変化
・歯周病による歯槽骨の減少
・顎の骨の変形や縮小
・歯の欠損による隣接歯の移動
■後戻りの対処法
後戻りが起こってしまった場合、どのように対処すればよいのでしょうか。
◎リテーナーの再装着
後戻りが軽度で、リテーナーの使用を怠ったり、リテーナーが破損したりした場合は、まずはリテーナーの再装着がよい対処法です。リテーナーを正しく装着して歯の位置を固定しましょう。リテーナーが破損している場合は、歯科医師に相談して新しいリテーナーを作製してもらいましょう。
◎部分矯正
後戻りが中程度で、一部の歯だけが移動してしまった場合は、部分矯正が適応となるでしょう。部分矯正とは、全ての歯に矯正装置を装着するのではなく、移動した歯だけに矯正装置を装着することです。部分矯正は、全体矯正に比べて、治療期間や費用が少なくて済むことが多いです。
◎再矯正
後戻りが重度で、全体的に歯並びが崩れてしまった場合は、再矯正が必要です。再矯正とは、矯正治療をはじめからやり直すことです。後戻りの度合いや原因によって治療期間や費用が変わります。
【矯正治療は終わってからもメンテナンスを続けましょう】
矯正治療後の後戻りは、矯正治療において最も避けたいトラブルの一つです。しかし、後戻りの原因を知り、適切な対処法を行えば、最小限に抑えることは可能です。矯正治療後の歯並びを保つためには、歯科医師の指示に従ってリテーナーを正しく使用することが重要です。また、歯磨きやフロスなどの日常的なケアと、定期的な歯科検診を行うことも忘れずに行いましょう。
しらい歯科・矯正歯科クリニックではマウスピース矯正インビザラインでの治療を行っております。インビザラインでは後戻りへの対応、部分矯正、再矯正も可能です。名古屋市瑞穂区で後戻りにお悩みの方はぜひ当院へご相談ください。