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矯正治療の豆知識 COLUMN

子供が口開けて寝る癖は歯並びに影響?口呼吸の原因と対策を解説

目次

子供が口開けて寝る癖は歯並びに影響?口呼吸の原因と対策を解説

夜、お子さまの口がぽかんと開いていませんか?


寝ている我が子の口が開いたまま、いびき混じりの寝息が聞こえる——そんな光景にふと不安を覚える保護者の方は少なくありません。前歯の生え変わり時期にガタつきが見えてくると、気がかりはなおさら増すものでしょう。「そのうち治るよ」と家族に言われても、判断がつきませんよね。口呼吸は歯並びや顎の発育、睡眠の質にも関わるとされています。この記事では、口を開けて寝る背景にある要因から歯並びへの影響、ご家庭でできる見極め方とトレーニング、負担に配慮した治療の選択肢と受診の目安まで、歯科医師の視点で整理してお伝えします。


この記事の要点まとめ


  • 口を開けて寝る背景には鼻づまりなどの要因と、口周りの筋力低下や舌の位置が関わるとされます。
  • 口呼吸は歯並びや顎の発育、口腔内環境や睡眠の質にも関係する可能性が指摘されています。
  • ご家庭でのチェックやトレーニングに加え、必要に応じて歯科・耳鼻咽喉科での相談が選択肢となります。

お子さまが口を開けて寝る主な原因とは?鼻づまりや筋力低下のメカニズム


「なぜうちの子は口を開けて寝るのだろう」——この疑問は、背景を二つの側面に分けて考えると整理しやすくなります。ひとつは鼻の通り道そのものが狭くなっている物理的な要因。もうひとつは口周りの筋肉や舌の使い方といった機能的な要因です。両方が重なっているケースも珍しくありません。


アレルギー性鼻炎やアデノイド肥大による鼻腔の狭小化


人間の呼吸は、本来なら鼻を通して行われるのが基本の形とされています。ところが鼻の通りが悪くなると、身体は酸素を取り込もうとして口から空気を吸うようになります。お子さまが怠けているわけではなく、体を保つための自然な反応と考えられます。


鼻づまりを引き起こす代表格が、通年性・季節性のアレルギー性鼻炎。花粉やハウスダストに反応して鼻粘膜が腫れると、空気の通り道が狭くなります。生活習慣や環境要因が健康に及ぼす影響については、公的機関も基礎情報を整理しています1


もうひとつ見逃せないのが、アデノイド(咽頭扁桃)や口蓋扁桃の肥大です。アデノイドは鼻の奥、のどとの境目あたりにあるリンパ組織で、多くのお子さまでは3〜6歳頃に最も大きくなり、その後は徐々に縮小していく傾向があるとされます。この時期に肥大が強いと、鼻から吸った空気の通り道が物理的にふさがれやすく、就寝中は特に口が開きやすくなります。仰向けで寝たときにいびきが強くなる、寝返りが多い、といったサインが見られることもあります。


口輪筋の緩みと舌の低位(低位舌)が招く習慣的な口呼吸


耳鼻咽喉科で鼻の治療を受け、鼻づまり自体は落ち着いたはずなのに口が開いたまま——臨床でもよくご相談をいただく状況です。ここに関わってくるのが機能的な要因になります。


唇を閉じ続けるには、口の周りをぐるりと囲む口輪筋をはじめとした表情筋が働かなくてはなりません。長期間口を開けて過ごしていると、この筋肉を使う機会が減り、唇を閉じる力そのものが弱まっていくと考えられています。結果として、鼻が通っていても口が開いてしまう。いわば「癖」として体に定着した状態です。


さらに押さえておきたいのが舌の位置。望ましいとされる安静時の舌は、先端が上の前歯のすぐ後ろにあるふくらみ(スポット)に軽く触れ、舌全体が上顎の天井に吸い付くように収まっている状態です。ところが口呼吸が続くと、舌は下顎側に落ち込んだ低位舌という状態になりやすくなります。舌が上顎を内側から押し広げる力が働きにくくなるため、上顎の横幅の成長にも影響が及ぶ可能性が指摘されています。


低位舌は嚥下(飲み込み)の仕方にも表れるものです。飲み込むときに舌が前歯を押す、口元に力が入る、といった動きが見られる場合は、舌の使い方そのものを整えるアプローチが検討されます。


よくある誤解:「成長すれば自然に治る」と放置するリスク


「大きくなれば勝手に閉じるようになる」というご家族の意見は、当院でも本当によく耳にします。確かにアデノイド肥大が主な背景であれば、組織の縮小に伴って鼻呼吸へ戻っていくお子さまもいますから、まったくの誤りとは言い切れません。


ただ注意しておきたいのは、要因が取り除かれても癖として定着した口呼吸は、それだけでは元に戻りにくい場合があるという点。筋肉の使い方や舌の置き場所は、意識してトレーニングしなければ自動的には修正されにくいものです。しかも顎の骨が活発に成長する時期は限られており、その時間は待ってくれません。


成長期という限られた期間をどう使うか。ここが早めに状況を把握しておく意味だと考えています。必ず治療が必要になるわけではなく、「今は経過を見ましょう」という判断も立派な結論です。大切なのは、判断材料を持たないまま時間だけが過ぎてしまわないようにすることでしょう。


口呼吸を放置するとどうなる?歯並び・顎の発育・全身への影響

口呼吸を放置するとどうなる?歯並び・顎の発育・全身への影響

口呼吸が続くことで生じうる変化は、歯並びだけにとどまりません。顎の骨格、口の中の環境、そして睡眠の質まで、複数の領域に関わってくると考えられています。影響の広がりを順に見ていきましょう。


出っ歯(上顎前突)や開咬・乱杭歯を引き起こす歯並びへの悪影響


歯の位置は、内側からの舌の力(舌圧)と、外側からの唇や頬の力(口唇圧・頬圧)が釣り合う場所に落ち着くとされています。この均衡状態は「バクシネーターメカニズム」とも呼ばれ、歯列の形を左右する要素のひとつです。


口が開いたままだと、外側から歯を押さえる唇の力が弱まります。すると前歯は外向きに傾きやすくなり、いわゆる上顎前突(出っ歯)の方向へ変化していく傾向が出てくることがあります。同時に舌が下がっていれば、上顎の歯列を内側から支える力も不足しますから、歯列の幅が狭くなり、永久歯が並ぶスペースが足りずに叢生(乱杭歯)につながる場合もあります。


もうひとつ現れやすいのが開咬。奥歯は噛み合っているのに前歯の間に隙間が残る状態で、常に舌が前方の低い位置にあることや、指しゃぶり・舌突出癖が重なることで生じやすいといわれます。前歯で麺類を噛み切りにくい、サ行・タ行の発音が不明瞭になる、といった機能面のご相談につながることもあります。


顎の骨格発育不全と将来的な顔貌変化(アデノイド顔貌)への懸念


歯の傾きは比較的あとからでも対応の余地がありますが、より慎重に見ておきたいのが骨格レベルの変化です。


上顎の骨は、鼻腔の底にあたる部分でもあります。舌が上顎に収まることで内側から適度な刺激が加わり、横幅の成長が促されると考えられています。低位舌が続くとこの刺激が乏しくなり、上顎の歯列が狭くV字型に近づいていく傾向が指摘されています。上顎が狭ければ鼻腔も広がりにくく、さらに鼻呼吸がしづらくなるという循環に入りやすくなるわけです。


また、口を開け続ける姿勢は下顎を後ろ下方へ引き下げます。この姿勢が長期にわたると、下顎が後退した面長な輪郭、唇が閉じにくく口元が突出した印象など、いわゆるアデノイド顔貌と呼ばれる特徴につながる可能性が指摘されています。顔つきには遺伝的要素も大きく関わるため一概には言えませんが、骨格の成長方向に呼吸様式が関与しうるという点は、知っておいて損はないでしょう。


口腔内乾燥によるむし歯・歯周トラブルと睡眠の質・集中力への影響


唾液には、細菌を洗い流す自浄作用や、溶け出したミネラルを歯に戻す再石灰化の働きがあります。口が開いたままだと口腔内が乾き、この防御機能が働きにくくなってしまいます。歯の健康を守るうえで日々の口腔ケアが基本となることは、公的な健康情報でも繰り返し示されています2


乾燥した口の中では、特に上の前歯まわりでむし歯や歯肉の炎症が起こりやすくなる傾向があります。見た目のサインとしては、前歯の先端に茶渋のような着色が付きやすい、上唇が乾いて下唇より白っぽく見える、といった特徴が現れることもあり、ご家庭で気づくきっかけになります。


そして見落とされがちなのが睡眠への影響。口呼吸では気道が狭くなりやすく、いびきや、場合によっては睡眠中の呼吸の乱れにつながることがあります。深い眠りが妨げられると、成長ホルモンの分泌や日中のコンディションに影響しうると考えられており、朝すっきり起きられない、日中ぼんやりする、集中力が続きにくいといった様子として表れることもあります1


歯並びのご相談から始まったはずが、睡眠や日常の過ごしやすさにまで話が広がる——口呼吸というテーマは、それだけ全身に接点を持っています。


ご家庭でできる口呼吸の見分け方と日常のトレーニング法


専門的な検査を受ける前に、まずはご家庭で様子を観察してみましょう。日常の中に、判断材料となるサインは意外と多く隠れています。


寝相・いびき・唇の乾燥から見極める家庭内セルフチェック項目


以下の項目に当てはまるものがないか、ここ数日のお子さまの様子を思い返してみてください。


  • 就寝時:口が開いている、いびきや荒い寝息がある、よく寝返りを打つ、朝の枕によだれのあとがある
  • 起床時:唇や口の中が乾いている、のどの痛みを訴える、寝起きが悪く機嫌がすぐれない
  • 日中:テレビやゲームに集中しているときに口が開いている、唇を閉じるとおとがい(顎先)に梅干し状のしわが寄る
  • お口の中:前歯の先端に着色が付きやすい、上唇が下唇より白っぽく乾いて見える、上の前歯の歯肉が赤みを帯びている
  • 食事・発音:くちゃくちゃと音を立てて食べる、飲み込むときに口元が動く、サ行やタ行が聞き取りにくい

いくつか当てはまったからといって、すぐに治療が必要という話ではありません。ただ、複数の項目が重なる場合は、一度専門家の目で確認しておく価値があります。受診時にこのメモをお持ちいただくと、状況の共有がスムーズに進みます。


あいうべ体操や遊びを通じたお口周りの筋力・舌位トレーニング


口周りの筋肉は、意識して動かすことで働きを取り戻していくことが期待できます。ご家庭で取り入れやすいものをいくつかご紹介しましょう。


あいうべ体操は、「あー」「いー」「うー」「べー」と大きく口を動かす簡単な運動です。特に最後の「べー」で舌を思い切り前下方へ突き出す動きが、舌の筋肉に働きかけます。1日30回程度を目安に、朝晩に分けたり入浴中に行ったりと、生活の中に組み込むと続けやすくなります。声を出さず口の形だけでも構いません。


遊びの要素を取り入れる方法も取り組みやすいでしょう。吹き戻し(ピロピロ笛)やシャボン玉、風船ふくらましは、唇をすぼめて息を吐く動作を繰り返すため、口輪筋への自然な刺激になります。ストローで水をゆっくり吸う、ハーモニカや笛を吹くといった遊びも同じような働きが期待できます。「トレーニング」と身構えるより、遊びとして楽しむほうがお子さまは続けやすいものです。


舌の位置を意識づけるには、上の前歯のすぐ後ろのふくらみに舌先を当て、そのまま「ポンッ」と音を鳴らすタングクリックという練習があります。舌全体を上顎に吸い付ける感覚をつかむ助けになります。


あわせて姿勢にも目を向けてみてください。猫背で顎が前に出ていると、唇は自然と開きやすくなります。椅子の高さを見直す、足の裏がしっかり床につくようにするといった環境調整も、口を閉じやすい姿勢づくりにつながります。


市販マウステープ(口閉じテープ)の活用時の注意点と対象年齢の目安


就寝時に唇へ貼るマウステープは市販もされていますが、お子さまへの使用にあたっては慎重な判断が求められます。


もっとも注意していただきたいのは、鼻づまりがある状態で口をふさぐことは避けるべきという点。鼻が通っていなければ呼吸の逃げ道がなくなり、睡眠が浅くなったり、体に負担がかかったりする可能性があります。使用を検討する前に、まず鼻がしっかり通っているかを確認することが前提です。


対象年齢についても、製品ごとに推奨が異なります。自分でテープを剥がせる年齢か、体調が悪いときに自ら訴えられるか、といった発達段階が判断のポイントになります。一般には未就学の低年齢児への使用は勧められないとする考え方が多く、使う場合も保護者が近くで様子を見守れる環境が望まれます。肌が弱いお子さまでは、かぶれへの配慮も必要でしょう。


テープはあくまで補助的な手段であり、口が開く背景そのものを解消するものではありません。自己判断で始める前に、かかりつけの歯科医院や耳鼻咽喉科でご相談いただくことをおすすめします2


お子さまへの負担に配慮した小児マウスピース治療と受診の目安


「治療となると、目立つ装置を長く付けることになるのでは」——保護者の方が抱きやすい心配です。実際には選択肢は一つではなく、お子さまの生活に配慮した方法も広がってきています。


舌圧測定器やリットレメーターを活用した客観的なお口の機能検査


口呼吸への対応で大切なのは、見た目の印象だけで判断せず、機能を数値として把握することです。


舌圧測定器は、舌が上顎を押し上げる力を数値化する機器。低位舌の傾向がある場合、この値が同年齢の目安より低く出ることがあります。リットレメーターは口唇閉鎖力、つまり唇を閉じる力を測定するものです。「口が開いている気がする」という感覚的な訴えを、客観的な指標として共有できるようになります。


当院ではこうした舌圧測定器やリットレメーターに加え、歯科用CTによる顎の骨格や気道スペースの立体的な把握、アイテロによる口腔内スキャン、ダイアグノデントによるむし歯の状態確認など、複数の視点から情報を集めています。口腔内カメラで撮影した画像を一緒にご覧いただきながら説明することで、保護者の方にもお子さま自身にも、いま何が起きているのかを理解していただきやすくなります。


測定のもうひとつの利点は、変化を追えること。トレーニングを続けた結果、数値がどう推移したか。この積み重ねが、お子さまのモチベーションを支える材料にもなります。


日中1時間と就寝時のみ装着するマウスピース治療とMFTの組み合わせ


小児期の矯正は、大きく1期治療と2期治療に分かれます。1期治療は乳歯と永久歯が混在する時期に、顎の成長を利用して歯が並ぶ土台を整えるアプローチ。2期治療は永久歯が生えそろってから、歯の位置を細かく調整する段階です。口呼吸や低位舌が関わるケースでは、この1期治療の時期に土台と機能の両方へ働きかけられる点が特徴となります。


装置としては、取り外しのできるマウスピース型装置が選択肢に入ります。透明で目立ちにくく、食事や歯みがきのときには外せるため、むし歯予防の面でも管理しやすいという特徴があります。装置の種類によっては、日中1時間程度と就寝時のみの装着で進めるタイプもあり、学校生活への影響を抑えやすい点は、保護者の方が気にされるところと重なります。固定式の装置に抵抗があるご家庭にとっては、検討しやすい方法といえるでしょう。当院のホームページでもご案内していますが、永久歯への生え変わり時期に対応したインビザラインファーストなど、お子さま向けのマウスピース型装置を取り扱っています(自由診療)。


ただし、装置だけで完結するわけではありません。並行して行いたいのがMFT(口腔筋機能療法)です。舌の位置、飲み込み方、唇を閉じる習慣といったお口の使い方そのものを整えるトレーニングで、歯科衛生士が段階的にサポートしていきます。装置で並べた歯も、舌や唇の力が元のままでは元の位置へ戻ろうとする力が働くもの。装置とMFTを組み合わせることが、変化を保つうえで重要な考え方になります。


開始時期の目安について、当院では次のように考えています。反対咬合(受け口)は4〜6歳頃からのご相談が望ましく、それ以外の歯並びや1期治療については、上の前歯2本が生えてきたタイミングが一つの節目。部分的な矯正であれば、期間は半年〜1年半程度が目安となります。もちろん個人差がありますし、経過観察を選ぶ判断もあります。


耳鼻咽喉科と小児歯科のどちらに相談すべきか迷ったときの判断基準


「どちらへ行けばよいのか」で足が止まってしまう方も多いので、判断のヒントを整理しておきます。


耳鼻咽喉科でのご相談を先に検討したい状況

  • 鼻がつまって息苦しそうな様子が続いている
  • 大きないびきをかく、睡眠中に呼吸が乱れる瞬間がある
  • 慢性的な鼻水や、副鼻腔炎を繰り返している
  • アレルギー性鼻炎の診断を受けたことがある

歯科でのご相談を検討したい状況

  • 鼻の通りは良好なのに、日中も口が開いている
  • 前歯の傾きや前歯の間の隙間、歯列のガタつきが気になる
  • 唇を閉じると顎先にしわが寄る、飲み込むときに舌が前に出る
  • 前歯の着色や、上の前歯周辺の歯肉の赤みが目立つ

両方に当てはまることもよくあります。その場合、どちらから受診しても構いません。歯科で診察した結果、鼻の状態を確認したほうがよいと判断すれば耳鼻咽喉科をご案内しますし、逆のケースもあります。大切なのは、どちらかで止まらず、必要に応じて両方の視点から見ていくことです12


当院は「あなたの大切な人に通って欲しい医院を創造する」という考えを掲げ、自分の家族にできない治療は患者さまにもすべきではないという姿勢で診療にあたっています。院内にはキッズスペースやファミリールームを設け、お子さまが緊張しにくい環境づくりにも取り組んでいます。矯正については無料カウンセリングも実施しており、簡易的なシミュレーションをご覧いただきながら、まず現状を知るところから始めていただけます。判断を急ぐ必要はありません。情報を得たうえで、ご家族で納得できる選択をしていただければと思います。


よくある質問


Q1. 口呼吸は歯並びにどのような影響がありますか?


A. 唇や頬が外側から歯を押さえる力と、舌が内側から支える力のバランスが崩れることで、前歯が外向きに傾く、歯列の幅が狭くなって永久歯の並ぶスペースが不足する、前歯が噛み合わない開咬になる、といった変化が生じやすくなると考えられています。ただし歯並びには遺伝的な要素や他の習癖も関わりますので、口呼吸だけが要因と断定できるものではありません。個別の状況は診察で確認する必要があります。


Q2. 3歳の開咬は自然に治りますか?


A. 指しゃぶりなどの習癖が主な要因であれば、その癖がなくなることで乳歯列の段階では変化が見られるお子さまもいます。一方、低位舌や舌を前に押し出す癖、口呼吸が背景にある場合は、そのままでは変わりにくいことも少なくありません。3歳の時点ですぐ装置を用いた治療を始めるケースは多くなく、まずは経過を観察しながら生活習慣を整えていく方針が取られるのが一般的です。気になる場合は早めに一度ご相談ください。


Q3. 子供は口呼吸で寝るとどうなりますか?


A. 口の中が乾燥することで唾液による自浄作用が働きにくくなり、むし歯や歯肉の炎症が起こりやすい環境になる傾向があります。また、気道が狭くなることでいびきや睡眠の浅さにつながる場合があり、深い眠りが妨げられると日中の集中力や機嫌に影響することも考えられます。加えて、口を開けた姿勢が長期に続くと顎の成長方向にも関与しうると指摘されています。


Q4. 矯正装置は学校でも目立ってしまいますか?


A. マウスピース型の装置は透明な素材でできており、装着していても気づかれにくいという特徴があります。装置の種類によっては、日中1時間程度と就寝時のみの装着で進めるタイプもあり、学校生活への影響を抑えやすい設計です。どの方法が向いているかはお口の状態によって異なりますので、カウンセリングでご説明いたします。


Q5. 何歳から相談に行けばよいでしょうか?


A. 当院では、反対咬合(受け口)については4〜6歳頃、それ以外の歯並びについては上の前歯2本が生えてきたタイミングを一つの目安としてご案内しています。ご相談=すぐ治療開始ではなく、「今は様子を見ましょう」という判断になることも十分にあります。まずは現状を把握しておくことが、選択肢を狭めないことにつながります。


参考文献


1. 厚生労働省「健康づくりサポートネット(疾病・健康に関する情報)」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/

2. 厚生労働省「健康づくりサポートネット(口腔・歯の健康)」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/teeth


白井 博

歯科医師


しらい歯科・矯正歯科クリニック

院長

白井 博

▶ 監修者プロフィール

経歴
2012年3月 愛知学院大学歯学部 卒業
2012年4月 愛知学院大学歯学部付属病院 総合診療科
2013年4月 原歯科(長久手市)
2015年4月 塚本歯科(稲沢市)及び、岡田歯科(知立市)
2016年8月 米野木歯科(日進市)及び、いわま歯科(名古屋市中村区)
2020年4月 しらい歯科・矯正歯科クリニック 開院
資格・所属学会
日本顎咬合学会 かみ合わせ認定医
日本歯科審美学会 所属
インビザライン矯正 認定医
日本床矯正研究会 所属
日本病巣疾患研究会
5D ファンダメンタルコース(歯内・修復)
口腔インプラント学会 所属
日本矯正歯科学会 所属
日本小児歯科学会 所属
styudy group Make A Line 所属(インビザライン)
ヨーロッパアライナー矯正歯科学会 会員
LASレギュラーコース、プレレギュラーコース(ワイヤー矯正セミナー)
東三河アライナー研究会 副会長
北九州アライナー矯正学研究会 会員